私、岩崎 梓の大好きな美しいもの、心ときめく音楽。美味しかったもの。 etc...写真を撮りながら気ままにご紹介。よろしくね。


by 岩崎 梓
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R.アーン--「クロリスに」

私の特に好きな作曲家、R.アーン。
19世紀〜20世紀にかけて、パリで活躍した。a0222263_21311421.jpg

ユダヤ人とバスク人の両親のもとヴェネズエラに生まれ、幼い頃パリに移り住んだのだそうだ。

神童の誉れ高くマスネに愛され、10歳でコンセルヴァトワールに入学し、
パリオペラ座の監督も務めたというから、社会的にも成功を収めた作家といえる。

日本では、今ひとつ認知度が低いような感のあるアーン。
私は10年くらい前か、V.ユーゴーの詩を歌詞とする歌曲ばかりを集めたリサイタルで初めてアーンの作品に出会い、すぐに魅了されてしまった。
その頃から、ぽつぽつ歌曲のリサイタルでも取り上げられるようになったと思う。

幼少時からそうであったように、アーンの活躍の場、本領が発揮されるのはサロンであったと思う。

オペラやバレエ曲、弦楽曲も書いているが、サロンで披露されたであろう歌曲の魅力は他の作家にないものがある。
ほとんどは、20歳になる前の作品らしいが、
小品が多くて、技巧もあまり駆使しない。
メロディラインが分かりやすくて、しかもリズムや伴奏のスタイルの効果で何ともいえず、小粋でおしゃれな雰囲気に溢れている。

「クロリスに」という小品がある。
同じようにバロック曲の雰囲気をもった「私が館に閉じ込められた時」という作品と並んで、わたしにとって、アーンのエッセンスという感じのお気に入り曲である。
特に「クロリスに」はあまりに好きではまってしまい、
前奏部分をきくと、はっとして立ち上がって歌いだしかねないくらいだ。

歌曲のラブソングは、男性が女性に向かって愛を語るパターンが多いけれど
この曲も愛する彼女にいかに自分の愛が深いかを語る告白ものである。


 クロリスよ、君が僕を愛してくれているのが本当なら、、
 いや、僕は知っている、君が愛してくれていることを。
 王様でさえ僕ほどの幸せは味わえまい。

 僕の運命を天国の幸せと取り替えてくれるとしても、
 死ぬことはできない。

 アンブロワジーの魅力も
 君の瞳の気高さほどには、
 僕の想像をかきたてない。。

 --アンブロワジーというのは。神々の食べ物、美食の極みを表すことばだそう。。

と、歌われるのだが、メロディラインの美しさと、チェンバロのつま弾きが似合うような素朴な伴奏の雰囲気で、
恋人達の、愛することの幸せと、愛されることの喜びがぴったりと重なるような、
静かな調和の世界にひたることができる一曲です。


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by leventmurmure | 2011-11-02 21:29 | musique