わらの「重ね煮」。おいしい。。
2012年 02月 23日
「重ね煮」という調理方法を教わった。
すごくおいしい...!!
「重ね煮」なので材料を重ねて煮てゆく調理方法で、
特に目新しいこともないような気がしたのだが、
お借りした「わらのごはん」--船越康弘 船越かおり著 を見つつその通りに作ってみる。
作り方はとても簡単で、材料を刻んでお鍋の中に一種類ずつ層をつくって重ねてゆく。
その上にお塩をひとつまみ。
蓋をして弱火で蒸し煮にする。
蒸気が逃げないよう蓋はきっちりと。。それだけ。。
まずはトマトソースを作ってみた。
にんにくをオリーブオイルで香りがでるまでいためる、その上に回し切り(薄く切ったくし切りみたいなかんじ)のたまねぎ、その上に千切りのにんじんを敷き詰め、ゲランドのお塩をふって、ビタミン愛(おいしくなってね♡という気持ち)をふる。
蓋をしてごく弱火でただ待つのみ。
トマト缶を別のお鍋にあけてこちらはそのまま半量くらいまでやはり静かに煮詰める。オイルはなし。
最後にすっかりしんなりと一体化したたまねぎにんじんのお鍋にトマトを投入、味を整える。
スパゲティに和え、エクストラヴァージンのオリーブオイルを回したら。。。
もうホントにおいしい。
素材の一体感。味のハーモニー。材料にはないはずのなんだかおいしい味がする〜。
身体にしみわたる感じもごく穏やかで自然で、ほっと気持ちが静まり力が入っていた身体がリラックスするような。。
昨夜の何とも言えぬ満足感にすっかり気を良くして
今日の朝も再びトライ。
冷蔵庫にあるものは。。。??
今日はオイル無しで
しょうが、ピーマン、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、チキン。の順にここだけはちょっとマジメに積み重ねる。
今日は流行りの「塩麹」を少しふりかけ、ビタミン♡を。そしてきっちり蓋。
もうこれもホントにおいしい。
ちょっとCotelette d'agneau a la boulangereに似た感じ。。
この料理はしっかり炒めたたまねぎをじゃがいもとともに型に敷き詰めその上に羊肉を置いてオーヴンにいれっぱなしにするものだが、私は冬の時期に時々作る。
パン屋さんが、朝のうちにオーヴンに入れておくと仕事が終わる頃夕飯時には出来上がっているということから
ア•ラ•ブランジェール。
でも、こちら「重ね煮」は野菜を炒めないからもっと軽い味わい。
特に、野菜の水分だけでじっくり蒸し焼きになったじゃがいもがねっとりとしておいしかった。
さて、この「重ね煮」のポイント。
マクロビオティクなどの自然食に関心のある方ならピンと来たはず。
そう、材料の重ね方にヒミツがあるみたいです。
野菜の中でも、たまねぎ、人参のような根菜類は根を張って下へと伸びてゆくもので、
逆に葉野菜などの類いは上へと伸びてゆくもの。
お鍋の中に上へ向かうエネルギーを帯びたものを下に
下に向かうエネルギーを帯びたものを上に配置することで
弱火加熱した時にそれぞれのエネルギーが出会い、対流し、調和するようなのだ。
あの、材料にないはずのなんだかおいしい味、は
それぞれの野菜の持ち味が、火というエネルギーを介して存分に発揮され融合したものなのだと思う。
以前にマクロビオティクの勉強をした。
食べ物はそれぞれの個性として陰陽の両極のレンジの中のどこかの性格を帯びていて、
そのバランスのとれた食事で身体をつくることが食養生ということだった。
そして、現代の生活では身体が陰性に偏りがちということから
玄米菜食のなかでも、薦められる食事は陽性寄りのものが多かった。
陽性とは、活力、陽気であるが、
同時に求心力、引き締めまとまってゆくエネルギーでもあり、
ずっとそんな食生活をしていたら
元来身体が緊張しがちな私は、なんだか窮屈で息苦しい世界がすっかりイヤになってしまった。
知識はあっても自分に活かせていなかったのだろう。
わらの「重ね煮」はこの陰陽の摂理に素直に従った調理方法だと思う。
自然な形で素材が生きている。
食べ物はその命を差し出して私たちを助けてくれようとしている。
そのことが説かれずとも自ずと伝わってくる、優しいお料理だ。
作り置いても、オイルを使わなければ酸化が進まないので少し日持ちもするらしい。
免疫力もアップするとのこと。
レパートリーを増やして行きたいな。
by leventmurmure
| 2012-02-23 23:15
| eat